鍼灸治療は、鍼灸院を始めとした専門の場所で受けられる東洋医学の治療方法です。
東洋医学の考えでは、私たちの体には頭から足の先までに多くのツボが点在します。
そのツボを、鍼やお灸で刺激することで心身の不調を改善する方法が「鍼灸」です。
鍼治療の効果とは?
鍼治療は肩こりや腰痛などの痛みを解消する、あるいは疲労回復に効果的であるというイメージが強いかもしれませんが、他にも自律神経失調症や便秘、眼精疲労など、さまざまな症状に効果的です。
リウマチや気管支炎、捻挫をはじめとした病気や怪我も鍼治療で治せるといわれています。
また、女性が悩みがちな症状である月経不順や生理痛、更年期障害、子供の小児ぜんそくや夜尿症などにも効果があるとされています。
鍼を刺すことによって、その刺激で痛みを抑えるホルモンが分泌され、さらに脳に痛みを伝える神経をせき止める働きもあるとされています。また、血液やリンパの流れをよくすることで、身体の自然治癒力も上がる働きがあると考えられています。
鍼治療の主な特長は?
●西洋医学における薬よりも副作用が少ない。
●赤ちゃんや子供にも安心
鍼治療は、自然治癒力の向上や自律神経や体のバランスを整えたりといった、
「原因」に作用することでさまざまな症状において効果が期待できます。
鍼灸治療は身体の治癒力を高め、病気に対する抵抗力、即ち免疫力を向上します。
鍼灸治療について(中医学)
西洋医学では病気の原因に着目し、その原因自体を取り除くことで病気を治療します。
中医学では病気は体全体のバランスが崩れていることから症状が表れ、そのバランスを整えて鍼灸や漢方などの療法により自然治癒力を取り戻すという治療法を行います。
中医学の基礎として「気・血・水」のバランスが3つとも過不足なく保たれている状態が健康状態であり、気・血・水のバランスの崩れ方によって治療法が定められており、鍼灸では2000以上のツボを症状に応じて使い分けるのです。
中医学について
当院では4000年の歴史がある中医学に基づいた治療を行なっております。
豊富な治療経験を重ねて、古代中国の自然哲学が基礎となり、陰陽五行学説に始まると言われています。自然界のすべての事柄や、人体の生理や病気に対する認識と診断と治療、それぞれについて、あらゆる分野の内容が説かれています。
例えば自然の場合は、太陽が陽・月が陰、火が陽・水が陰、人間の身体では、上半身が陽・下半身が陰、背中が陽・お腹が陰です。
もう一つ、中医学の基本には、「五行」という考え方があります。
宇宙に存在するすべてのものを5つの要素に分類した「五行」に人体の五臓を当てはめ、体質や症状を診ます。
五行の場合は心(精神や循環)が火、肺が金、肝が木、脾(消化器)が土、腎が水です。
五行(五臓)それぞれが順に生み育てる関係であることを相生関係、逆に向かい合う関係は制御し調整しある関係であり相剋関係といいます。
このようにより勢いを増す関係と、調整し合う関係がうまく組み合わることで私たちの身体はバランスを取っています。
このバランスの調整は鍼灸治療が非常に得意な分野です。
あなたの身体にとって心地よく無理のない状態に導き、自己免疫力を高め、辛い症状を取り除いていきます。
具体的な診療方法として、望・聞・問・切という四診を通じて、顔色・血色・舌・脈・体温・症状から患者様の全身を把握し、証(体質の陰陽や内臓の盛衰など)を確立して、治療を行います。
その後、治療による反応を分析して、さらに証を確認し、もっと有効的な治療を検討します。
鍼灸全身調整
肩こり、関節痛、腰痛、筋肉痛、神経痛などの症状はもちろんですが、眼精疲労、自律神経症、アトピー、五臓の疲れ、免疫力の低下、肥満・生理不順・不妊など女性の悩みのさまざまな体調不良に対応します。
診察の上、お客様の体質や体調に合わせて日本鍼で施術致します。
鍼灸治療のツボ
肩こりに効くツボ
合谷(ごうこく)
手の甲を上にして、人さし指につながる骨(中手骨)の中間にあるツボ。人さし指のつけ根から手首に向かって骨を押し、痛みを感じるところを探します。肩こりのほか、目や鼻、頭、歯の痛みなど、特に上半身のトラブルに効果的とされています。
セルフケアとしてツボ押しをする場合は、ズーンとひびくらいの強さで押すとよいでしょう。
肩井(けんせい)
首と肩の中間あたりで、押すと痛みやしこりを感じる部分。首や肩、背中のこりをほぐしたり、四十肩や五十肩、頭痛、歯の痛み、神経疾患などを緩和する効果があるといわれています。
強く押すともみ返しが来るので、自分で押すときはあまり強く押しすぎないようにしましょう
頭痛に効くツボ
風池(ふうち)
後頭部の髪の生え際、首の真ん中のへこんだ部分と耳たぶのうしろの骨の間にあるツボ。頭痛や喉の痛み、目の疲れ、めまい、首や肩のこりを和らげる効果が期待できます。
押すとひびく部分を少し強めに押してみましょう。
首のこりに効くツボ
翳風(えいふう)
耳の付け根の後ろにあるツボ。首や肩のこりのほか、頭痛、クマ、くすみ、顔や目のむくみなどの解消に効果があるとされています。
便秘に効くツボ
曲池(きょくち)
ひじを曲げたときにできるシワの先端の部分にあり、押してズーンとひびくところ。
便秘の改善のほか、口内炎、ニキビ、高血圧、冷え症、疲れ目などの緩和にも効果があるといわれています。
背中のこりや痛みに効くツボ
膏肓(こうこう)
肩甲骨の内側を押して、痛みやしこりを感じる部分。背中のこりや痛み、全身の疲れ、慢性的な肩こりの改善に役立つとされています。
自分では押せない場所なので、あおむけに寝て床に置いたボールなどで押すとよいでしょう。